JRA 枠順・馬番データ分析|有利な枠・馬番は? (初心者向けデータベース版)

公開日: 10/26/2025

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競馬の予想をするとき、「枠順(わくじゅん)」や「馬番(うまばん)」という言葉を聞いたことはありますか? これはレースで馬がスタートするゲートの位置を示す番号のことで、予想をする上で意外と重要な要素です。

「内側の枠が有利」「いや、外側がいい」など、色々な話を聞くかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。

このガイドでは、実際のJRA(日本中央競馬会)のレース結果データに基づき、「枠順」や「馬番」がレースにどう影響するのか、初心者の方にもわかりやすく解説します。

枠順・馬番ってなに? なぜ重要なのか

  • 馬番: レースに出走する馬、一頭一頭に割り当てられる番号です (1番、2番、...)。通常、この番号のゲートからスタートします。
  • 枠順: 馬番をグループ分けしたものです。通常、1枠〜8枠まであり、帽子の色で区別されます (1枠:白, 2枠:黒, 3枠:赤, 4枠:青, 5枠:黄, 6枠:緑, 7枠:橙, 8枠:桃)。

なぜ重要なのか

  • 走る距離が変わる: 内側の枠(1枠など)はコーナーを小さく回れるので、走る距離が少し短くなります。外側の枠(8枠など)は少し距離が長くなる傾向があります。
  • レース中の位置取り: 内枠は他の馬に囲まれやすい(包まれる)リスクがあり、外枠はスムーズに進路を選びやすい利点があります。
  • スタート: 特に短い距離のレースでは、スタート直後の位置取りが勝敗に大きく影響します。
  • コースの形: 競馬場によってカーブのきつさや最後の直線の長さが違うため、有利な枠番も変わってきます。
  • 馬場の状態: 雨が降って馬場が悪くなると、比較的状態の良いコースの外側を走れる外枠が有利になることもあります。

JRA競馬場別・枠番別 成績データを見てみよう(抜粋)

実際のレース結果から、枠番ごとにどれくらい3着以内に入ったか(複勝率)を集計してみました。競馬場やコース、距離によって傾向が違うのが面白いところです。 (データが膨大なため、ここでは主要な競馬場の一部条件だけを抜粋して紹介します)

(注: 複勝率は「3着以内に入った回数 ÷ 出走した回数」で計算)

東京競馬場 (最後の直線が長い)

コース 距離 枠番 出走数 複勝数 複勝率
ダート 1400m 1枠 651 142 21.8%
ダート 1400m 8枠 733 185 25.2%
ダート 1600m 1枠 760 170 22.4%
ダート 1600m 8枠 903 240 26.6%
1600m 1枠 902 240 26.6%
1600m 8枠 1251 321 25.7%
2400m 1枠 609 173 28.4%
2400m 8枠 936 239 25.5%

東京競馬場の傾向 (抜粋):

  • ダートコースでは、外枠(8枠)の方が少し成績が良いようです。
  • 芝コースでは、距離によって傾向が少し異なります。1600mでは内外であまり差がありませんが、2400m(日本ダービーと同じ距離)では内枠(1枠)の方が良い成績です。

中山競馬場 (カーブが多くて直線が短い)

コース 距離 枠番 出走数 複勝数 複勝率
ダート 1200m 1枠 871 220 25.3%
ダート 1200m 8枠 1083 287 26.5%
ダート 1800m 1枠 954 224 23.5%
ダート 1800m 8枠 1195 309 25.9%
1600m 1枠 722 196 27.1%
1600m 8枠 993 230 23.2%
2000m 1枠 511 134 26.2%
2000m 8枠 711 167 23.5%

中山競馬場の傾向 (抜粋):

  • ダートでは外枠(8枠)が少し有利かもしれません。
  • 芝コースでは、内枠(1枠)の方が外枠(8枠)より成績が良い傾向があります。「中山は内枠有利」というセオリー通りの結果と言えそうです。

京都競馬場 (独特な形のコース)

コース 距離 枠番 出走数 複勝数 複勝率
ダート 1200m 1枠 510 113 22.2%
ダート 1200m 8枠 674 164 24.3%
ダート 1800m 1枠 610 149 24.4%
ダート 1800m 8枠 772 195 25.3%
1600m(外) 1枠 572 135 23.6%
1600m(外) 8枠 823 228 27.7%
3000m(外) 1枠 93 22 23.7%
3000m(外) 8枠 137 37 27.0%

京都競馬場の傾向 (抜粋):

  • ダートでは内外の差はあまり大きくないようです。
  • 芝の外回りコース(1600mや天皇賞・春が行われる3000mなど)では、外枠(8枠)の成績が良い傾向が見られます。「京都の外回りは外枠有利」と言われることがあります。

阪神競馬場 (最後の直線に坂がある)

コース 距離 枠番 出走数 複勝数 複勝率
ダート 1400m 1枠 682 143 21.0%
ダート 1400m 8枠 885 222 25.1%
ダート 1800m 1枠 652 158 24.2%
ダート 1800m 8枠 827 200 24.2%
1600m(外) 1枠 659 166 25.2%
1600m(外) 8枠 938 232 24.7%
2000m(内) 1枠 350 97 27.7%
2000m(内) 8枠 466 108 23.2%

阪神競馬場の傾向 (抜粋):

  • ダート1400mでは外枠(8枠)が少し有利ですが、1800mでは内外の差はほとんどありません。
  • 芝コースでは、桜花賞などが行われる外回り1600mでは内外差が小さいですが、内回り2000mでは内枠(1枠)が有利なようです。 (注意: 上記はあくまで過去データの傾向です。個々のレースでは馬の能力や展開によって結果は変わります)

より細かい「馬番」別の有利不利データも

枠順(1枠〜8枠)だけでなく、もっと細かい「馬番(1番、2番...)」ごとにも有利不利の傾向があります。データベースには、過去の膨大なレース結果から計算された馬番ごとの有利不利スコアも記録されています。

スコアがプラスなら有利な傾向、マイナスなら不利な傾向がある、と考えてください。

馬番別 有利不利スコア (抜粋)

競馬場 コース 距離 馬番 有利スコア
中京 1200m 1番 0.05
中京 1200m 3番 0.18
中京 1200m 11番 -0.25
中山 1600m 1番 0.14
中山 1600m 16番 -0.14
京都 1600m(外) 2番 -0.09
京都 1600m(外) 14番 0.19
阪神 2000m(内) 1番 0.20
阪神 2000m(内) 16番 -0.67
新潟 1000m 1番 -0.52
新潟 1000m 18番 0.53

馬番スコアの活用法:

  • 予想するレースの条件(競馬場、コース、距離)が決まったら、出走する馬の馬番と上の表(または詳細データ)を見比べてみましょう。
  • もし応援したい馬の馬番スコアがプラスだったら少し自信を持って、マイナスだったら少しだけ割り引いて考えてみる、という使い方ができます。
  • ただし、これも絶対ではありません。あくまで予想の参考情報の一つとして考えましょう。特に新潟の芝1000m(直線)のように、極端に内外で有利不利が出るコースもあります。

まとめ:枠順・馬番を予想に活かすコツ

  • まずはコースの傾向を知る: 「中山の芝は内枠有利」「京都の外回りは外枠有利」といった、基本的なコースごとの枠順傾向を頭に入れておくと便利です。
  • 馬番スコアも参考に: より細かい有利不利は馬番スコアでチェックできます。
  • 他の要素と組み合わせる: 枠順・馬番だけで予想を決めるのは避けましょう。馬の強さ(能力)、騎手、調教師、前回のレース内容、当日の馬場状態など、色々な情報と組み合わせて総合的に判断することが大切です。
  • 迷った時のヒントに: どうしても買う馬を決められない時に、枠順や馬番のデータを参考にしてみるのも良いでしょう。

データに基づいた分析を取り入れることで、競馬予想がもっと面白く、奥深くなるでしょう。

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