パドックの見方ガイド|初心者でもわかる馬のコンディション判断法
公開日: 11/12/2025

パドック(下見所)は、レース前に出走馬を間近で見ることができる場所です。データでは測れない「馬の今の状態」を自分の目で確認できる、競馬場ならではの醍醐味と言えます。
「でも、パドックで何を見ればいいのかわからない…」という初心者の方も多いでしょう。このガイドでは、パドックでチェックすべきポイントを、初心者向けにわかりやすく解説します。
パドックの基本
パドックとは
レース前に出走馬が周回する場所で、一般的にレースの約30分前からスタートします。競馬場に行けばスタンドから見ることができ、テレビ中継でも映されます。
パドックを見る意味
データ(過去の成績、血統、枠順など)だけでは判断できない**「今日この馬がどんな状態か」**を把握することができます。同じ馬でも、日によって調子は大きく違います。
チェックポイント①:毛艶(けづや)
毛艶が良い馬の特徴:
- 体が光って見える
- 毛にツヤがあり、健康的な輝きがある
- 筋肉の張りが感じられる
毛艶が悪い馬の特徴:
- 毛がボサボサして見える
- 体に覇気がない
- 全体的にくすんだ印象
初心者向けのコツ: 最初は「全体的に光って見える馬」と「そうでない馬」を比較するだけでOK。他の馬と比べてみると、違いがわかりやすくなります。
チェックポイント②:歩様(ほよう)
歩き方は馬の状態を最もわかりやすく示すポイントです。
良い歩様:
- リズミカルで力強い歩き
- 後ろ脚がしっかり地面を蹴っている
- 前脚が流れるように出ている
- 頭の位置が安定している
気になる歩様:
- ぎこちない歩き(どこか痛い可能性)
- 歩幅が極端に小さい
- チャカチャカと落ち着きがない(テンションが高すぎる)
- 前脚をかばうように歩いている
初心者向けのコツ: 「リズムよく歩いているか?」だけに注目すれば十分。リズミカルに気持ちよさそうに歩いている馬は、状態が良いと判断できます。
チェックポイント③:発汗(はっかん)
馬の汗の状態も重要なサインです。
正常な発汗:
- 首筋や胸にうっすら汗をかいている程度は正常
- 暑い日は全体的に汗ばんでいても問題なし
異常な発汗(いわゆる「入れ込み」):
- 股の間や脇腹に白い泡状の汗がびっしり
- パドックを周回するだけで大量の汗
- 落ち着きなく暴れたり、鳴いたりしている
白い泡のような汗は「興奮しすぎて体力を消耗している」サインです。このような馬はレース前にエネルギーを使い果たしてしまう可能性があります。
チェックポイント④:馬体の張り
良い状態:
- お尻(トモ)が丸く盛り上がっている
- 首の筋肉がしっかりしている
- 全体的にバランスが取れている
気になる状態:
- 肋骨が見えるほど痩せている
- 腹がだぶついて見える(太りすぎ)
- 全体的に華奢で頼りない印象
チェックポイント⑤:気配(けはい)
好気配:
- 堂々と歩いている
- 周囲を気にせず集中している
- 耳がピンと立っている(注意力がある証拠)
- 厩務員との信頼関係が見える
不安な気配:
- キョロキョロと周囲を見回している
- 尻っぱねをしたり暴れたりしている
- 厩務員がコントロールに苦労している
- 無気力でだるそうに歩いている
パドックの見方:実践5ステップ
- まず全体を見る: 最初の1周で全馬をざっと見て、全体の印象を掴む
- 良く見える馬をピックアップ: 2〜3頭の「状態が良さそうな馬」を選ぶ
- 気になる馬を個別にチェック: 歩様と発汗を重点的に確認
- データと照合する: パドックで好印象の馬が、データ上も好走条件を満たしているか
- 最終判断: パドックの印象とデータを組み合わせて馬券を決定
パドックに関するよくある誤解
「チャカチャカしている馬は元気がある」は間違い
落ち着きのない馬は「テンションが高すぎる」状態であり、レース前にエネルギーを消費してしまいます。穏やかに、しかし力強く歩いている馬の方が、レースに集中できる状態です。
「大きい馬が強い」とは限らない
馬格(体の大きさ)と強さは必ずしも比例しません。コンパクトでもバランスの取れた馬は十分に好走できます。
まとめ
- 毛艶と歩様が最重要: この2つだけでもかなりの情報が得られる
- 白い泡状の汗は要警戒: 入れ込みは大幅マイナス材料
- データとの組み合わせが最強: パドックの印象だけで判断せず、データと合わせて判断
パドックは「データでは見えない馬の今の状態」を知る貴重な機会です。最初は難しく感じますが、何度か観察するうちに自然と見る目が養われていきます。競馬場に行った際はぜひパドックをチェックしてみてください。