【中山競馬場の真実】不良馬場で人気馬の勝率28.6%!馬場状態で激変する勝敗の方程式

公開日: 10/1/2025

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中山の「魔の馬場」を攻略せよ!データが暴く意外な真実

「中山競馬場は馬場が荒れやすい」「道悪になると実力馬が沈む」—有馬記念や皐月賞、中山グランドジャンプなど、数々のビッグレースが開催される中山競馬場について、こんな言葉をよく耳にしますが、それは果たしてデータに基づいた真実なのでしょうか?

今回私たちは、独自の分析スクリプトを用いて、2024年10月から2025年9月までの中山競馬場全レース、7,495走分のデータから馬場状態別の傾向を徹底的に解析しました。この記事を読めば、漠然としたイメージではなく、データに基づいた確かな馬場戦略が見えてくるでしょう。


馬場状態で複勝率はほぼ変わらない—しかし人気馬は別

まず、馬場状態別の全体成績を見ていきましょう。

中山競馬場 馬場状態別成績

このグラフが示すデータは、一見すると意外なものです。

各馬場状態の複勝率:

  • 良馬場: 20.5%(5,598走)
  • 稍重馬場: 20.8%(1,295走)
  • 重馬場: 21.2%(425走)
  • 不良馬場: 20.3%(177走)

全体的な複勝率は、馬場状態によってほぼ変わらず、20〜21%の範囲に収まっています。つまり、「道悪だから荒れる」というのは必ずしも正しくないことがデータから明らかになりました。

人気馬に注目すると見えてくる真実

しかし、ここで注目すべきは人気馬の成績です。1〜3番人気に絞って馬場状態別の勝率を見ると、驚くべき傾向が浮かび上がります。

人気馬(1〜3番人気)の勝率:

  • 不良馬場: 28.6%(最高)
  • 稍重馬場: 24.8%
  • 良馬場: 23.8%
  • 重馬場: 20.0%(最低)

なんと、不良馬場が最も人気馬の勝率が高く、重馬場が最も低いという結果です。「道悪は荒れる」という常識とは真逆のデータが示されたのです。

なぜ不良馬場で人気馬が強いのか?

この意外な結果には、いくつかの理由が考えられます。

  1. 道悪巧者の存在: 不良馬場になるほど、道悪を得意とする実力馬の能力が際立つ。これらの馬は事前に人気になりやすく、実際に結果も出す

  2. 展開の単純化: 不良馬場では前が止まりにくく、先行有利の展開になりやすい。この場合、実力上位の人気馬が順当に逃げ切るケースが増える

  3. 騎手の技術差: 道悪での騎乗技術は騎手の腕が問われる。人気馬には一流騎手が乗ることが多く、その技術差が結果に直結する

一方、重馬場(中途半端な道悪)では、馬場の読みが難しく、展開も複雑化するため、人気馬でも苦戦する傾向があるのかもしれません。


芝とダートで異なる馬場の影響

次に、コース種別(芝・ダート)と馬場状態のクロス分析を見てみましょう。

中山競馬場 馬場状態×コース種別 平均着順

このヒートマップは、馬場状態とコース種別の組み合わせで、平均着順がどう変わるかを示しています。着順は数字が小さいほど良いため、色が濃い(緑色)ほど好成績を意味します。

主な発見:

  • 芝コース: 稍重馬場(平均着順7.45)が最も好成績で、良馬場(7.96)よりも優秀。道悪の方が馬場が締まり、走りやすくなる可能性がある

  • ダートコース: 良馬場(8.18)、稍重(8.08)、重(7.88)、不良(7.98)と、重馬場が最も平均着順が良い。ダートは適度な水分で走りやすくなる傾向

  • 障害レース: 稍重馬場(6.02)が圧倒的に好成績。障害馬にとって、適度に水分を含んだ馬場が最適な条件

この結果から、「道悪=不利」という単純な図式は成り立たないことが明確になりました。むしろ、芝では稍重、ダートでは重馬場という「適度な水分」が、馬にとって走りやすい条件である可能性が高いのです。


データが導く中山馬場の攻略法

今回の徹底分析から、中山競馬場の馬場状態別戦略が浮かび上がります。

  1. 不良馬場では人気馬を信頼せよ: 1〜3番人気の勝率28.6%というデータは無視できません。不良馬場のレースでは、道悪を苦にしない人気上位馬を軸に、堅実な馬券を組み立てるのが賢明です。特に道悪実績のある馬は最優先で評価しましょう。

  2. 重馬場は要注意、穴狙いのチャンス: 人気馬の勝率が20.0%と最も低い重馬場は、本命が沈みやすい条件です。このような日は、人気薄の道悪巧者や、展開が向く馬を狙った穴馬券戦略が有効です。

  3. 芝の稍重、ダートの重馬場は好条件: ヒートマップが示す通り、芝では稍重、ダートでは重馬場が最も好成績です。この条件では、馬場適性を持つ馬の能力が最大限に発揮されやすいため、能力上位馬を素直に評価しましょう。

  4. 良馬場こそ展開を読め: 良馬場は複勝率20.5%、人気馬勝率23.8%と、決して堅いわけではありません。馬場が荒れていない分、展開(ペース配分や位置取り)が結果を大きく左右します。前走の脚質や、想定される展開を丁寧に分析しましょう。

中山競馬場は、有馬記念(良馬場が多い)、皐月賞(稍重になることも)、中山大障害(重馬場も)など、様々な馬場状態で重要レースが開催されます。

「道悪=荒れる」という先入観を捨て、馬場状態ごとの特性をデータで理解し、最適な戦略を取ることが、中山競馬場攻略の鍵となります。データという確かな羅針盤を手に、馬場を味方につけて、レースを楽しみましょう。

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