東京芝2400mの「常識」を疑え|データで判明した本当の攻略法

公開日: 10/2/2025

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東京芝2400m——日本ダービー、ジャパンカップ、天皇賞(秋)。数々のビッグレースが行われるこのコースについて、あなたはどんなイメージを持っているでしょうか。

「直線が長いから差し・追込が有利」「外枠の方が展開に恵まれる」

確かによく聞く話ですが、本当にそうなのでしょうか。実際の数字を精査してみると、一般的なイメージとは少し違った姿が見えてきました。

外枠神話は本当だった——しかし程度の問題

枠番別の成績から見ていきましょう。

東京芝2400mの枠番別複勝率グラフ

8枠の複勝率32.6%、2枠は22.9%。約10ポイントの差がついています。

ただし、これは「8枠なら買い、2枠なら切る」という単純な話ではありません。8枠でも約3頭に1頭しか馬券に絡まず、2枠でも5頭に1頭以上は好走しているのです。

大切なのは、枠順だけで判断せず、他の要素——馬の実力、騎手、展開予想——と組み合わせて総合的に評価すること。「8枠だから無条件で買う」のではなく、「他の条件が同じなら8枠を優先する」程度の認識が正しいでしょう。

脚質データが覆す「差し天国」の嘘

次に脚質別の成績です。

東京芝2400mの脚質別勝率グラフ

  • 追込:勝率10.4%、複勝率29.9%
  • 差し:勝率10.0%、複勝率27.5%
  • 先行:勝率7.6%、複勝率24.5%
  • 逃げ:勝率7.8%、複勝率18.2%

たしかに追込馬の勝率は最も高い。しかし10.4%という数字は、10回に1回程度しか勝てないということです。「差し・追込が絶対有利」と言い切れるほどの圧倒的な差ではないのです。

むしろ注目したいのは「逃げ」の複勝率18.2%の低さ。このコースで逃げ切るのは至難の業で、前に行った馬が最後まで粘り込むケースは稀です。

長い直線があるとはいえ、それは後方の馬にも前の馬にも平等に与えられた条件。差し馬が一方的に有利というわけではなく、各馬が最後の直線で力を出し切った結果として、やや後方組に分があるという程度の認識が妥当でしょう。

本当に使える東京2400mの予想術

データから導き出せる実践的なポイントは次の通りです。

1. 8枠は「加点材料」として扱う 8枠に入ったからといって即買いではなく、他の好材料と合わせて評価を上げる。逆に2枠は、よほど力が抜けていない限り、評価を少し下げて見るのが賢明です。

2. 差し・追込馬は「展開次第」を忘れない 勝率10%台という数字は、決して絶対的な優位性を示すものではありません。前半のペースが遅ければ差しは決まりにくく、速ければ前が止まります。展開読みとセットで判断しましょう。

3. 逃げ馬は相当な実力差がないと厳しい 複勝率18.2%は、およそ5.5回に1回しか馬券に絡まない計算。逃げ宣言している馬が人気になっていたら、むしろ疑ってかかるべき状況です。

「東京の2400mは○○が有利」という単純な法則はありません。枠順、脚質、展開——それぞれの要素を冷静に分析し、総合的に判断する。それが、このコースで勝つための最も確実な方法です。

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